ミマモルとホッタラカシの違い
臨床現場では、「ミマモル」という言葉がよく使われます。なんらかのこころの病や、悩みをかかえてしまったり、例えば、身近なところでいうと、だれかとケンカをしてしまったり、子どもが引きこもってしまったりした場合においても、このミマモルという行為が、問題解決の糸口になることはよくあります。もちろん、緊急に問題に取り組んだり、第三者の介入が早急に必要な場合もあり、そのことによって問題が長期化したり、複雑になることを防いだりする場合もあります。したがって、このミマモルという行為が、どんな問題や、どの段階においても、決して万能薬ではないことは言うまでもありませんが、このミマモルという行為の臨床的な意味をしっかり理解することは支援者にとっても、また、自分自身にとっても、とても大切なことのような気がします。
しかし、厄介なことに、このミマモルということは、一方で「ホッタラカシ」という“非支援的な行為”や、ある種の“諦めるという行為”と、現象的にはとてもよく似ているので、クライエント並び、なんらかの支援にかかわっている人達にとっては、「本当に何もしないで大丈夫なの?」とついつい心配になってしまいます。
カウンセリングでは、そういった心配に対して、クライエントと一緒にミマモル方法について考えていきます。MCRでは、クライエントに、
「ミマモルというのは何もしないことではなく、ちゃんと方法があるんですよ」
と伝えるようにしています。
カウンセリングでは、①ミマモルとはどういうことを指すのか、②ミマモルためにはどんなことに注意するのか、③ミマモルとは結局のところ、何をするのことなのか、といった問題について一緒に考えていきます。クライエントとカウンセラーが一緒に考えていくと、徐々に、問題が生じたころには思いもよらなかった、自分なりの回答にたどり着くことができます。また、不思議なこととして、その回答にたどり着いたときには、もうすでになにかの問題が解決されている、というような、なかば、マジックのような出来事が起きたりすることは、カウンセリングではよくあることです。
ミマモルとは、ある種の、シンキングタイム。ここに、ホッタラカシとミマモルの大きな違いがあります。ホッタラカシとは、「考えないこと」、問題に対して無力であり続け、思考停止に陥り、そのことによって、いつも杓子定規な対応しか生み出せずに、場合によっては、かえって問題に悪影響を与えます。それに対して、ミマモルは、「考えること」、問題に対して常にチャレンジし続けることを意味し、常に思考を柔軟に変化させ、オリジナルでユニークな対策をみつけたり、問題に対して、いつも「オルタナティブな見方」を提案してくれます。
そう考えると、ミマモルってことは本当はとてもしんどいことなんですけど、だからこそ、一緒にミマモル人が必要なのかなと思います。ホッタラカシは、一人でもできる行為ですが、ミマモルには、誰かの支援が必要なのかもしれません。言葉遊びのように聞こえますが、ミマモルこともきっと、誰かにミマモラレルことで、成り立つような気がします。
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