「大丈夫!」という声かけは、本当に大丈夫?
「大丈夫!」という声かけは、本当に大丈夫なのでしょうか? 今日はそのことについて書いてみます。
生活していると、心配になることは沢山あります。
部屋を出た時、電気を消しただろうか、ちゃんと鍵を閉めただろうか、職場や学校に人とうまく話せるだろうか、試験でいい点数をとれるだろうか、企画会議でうまくプレゼンできるだろうか、インフルエンザにかからないだろうか…等々。
よく考えると、そもそも、明日、自分が生きているのかどうかも不確実な状況であるので(例えば、事故にあったり、病気になったり等)、心配なことをあげると実にきりがありません。しかし、人は、なんとなくですが、「そんなこと起こるはずがない!」と言って、「心配していること」をうまく否認できたり、「大丈夫!」と自分で自分に声かけしながら(自分のこころの声)、不確実な世の中を必至に生き抜いています。
さて、カウンセリングの話でいうと、クライエントも「心配していること」を沢山抱えて、カウンセリングルームに来られます。その「心配していること」のあまりの多さに、自分ではもう、うまく否認できなかったり、「大丈夫!」と言い聞かすことができない状態になっていることで、大変お困りになられております。
実は、カウンセリングルームに来られる前にも、身の回りのいろんな人に「心配していること」を相談していることが多く、その都度、「大丈夫だよ」、「気にしすぎだよ」と励まされているにも関わらず、クライエントの心の中にある「心配していること」は消えることはありません。「大丈夫」と、頭ではわかっているけど、「自分のこころの声」として「大丈夫」というその一言が出てきません。
これは、とても不思議なことであります。
そのような状態にあるクライエントに対して、カウンセラーが「大丈夫ですよ」と声かけしたとしても、クライエントの「心配していること」は消えることはありません。仮に、消えたとしても、それはほんの一瞬のことで、カウンセリングルームを出るときには、再び、「心配していること」に取り憑かれてしまうことが多いような気がします。
また、肝心なことは、カウンセリングルームに来られる時には、「心配していること」も当然、悩みなのですが、それ以上に、「こんな感じになっている自分は大丈夫なんですか?」という悩みになっていることがあるということです。
つまり、「心配しすぎな自分が、なにより心配」という、新しく、解決するに厄介な悩みを抱えてしまっているということです。
カウンセラーとしては、「自分への信頼」が揺らいでいるクライエントに対して、「そのことが気になるあなた自身は、決しておかしくない」というメッセージを送るように関わっていきますが、信頼を回復するにはとても時間がかかります。その為に、クライエントとゆっくりと時間をかけて一つずつ、「そうだよね」という体験を重なていくしかありませんし、カウンセラーはそのために全力を尽くしていきます。
今日のブログでお伝えしたいことは、自分の目の前で、なにか「心配していること」を抱えている人がいた場合に、安易に、「大丈夫!」と声かけずに、しっかりその人が「心配していること」に耳を傾けてほしいということです。「大丈夫!」という声かけは、安心感をもたらすこともあるかと思いますが、再び、訪ずれる「心配していること」によって、「こんなことを心配している自分自身がおかしいのではないか?」という、新たな悩みや葛藤を生んでしまいかねません。
「大丈夫だよ」という声かけが、その人自身の内側から沸き起こる「心の声」として発せられるように、その人の抱える悩みに寄り添い、その人自身をしっかり信頼してあげることから始めてみましょう。
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