YJ COUNSELING OFFICE blog

福山市にある『みんなのカウンセリングルーム』の代表ブログです。

カウンセラーもアセスメントされている

クライエントの中には、カウンセリングを受けること自体が初めての方もいれば、過去に、なんらかの理由で、カウンセリングを受けた経験のある方もいらっしゃいます。

カウンセリングを始める前には、MCRでは、必ず、いくつかの簡単なアンケートにお答えしてもらっているのですが、その中で、過去のカウンセリング経験についてお聞きすることがあります。そこでは、過去のカウンセリングの中身について詳細に教えてもらうということよりも、ざっくりとした感想をお聞ききするようにしております。

感想の中には、「カウンセリングを受けてよかった」、「スッキリした」とポジティブなことを語る人もいれば、まことに残念なことではありますが、「思っていたのと違った」、場合によっては、「かえってしんどくなった」とネガティブなことをもらす方もいらっしゃいます。あと、わりとクライエントの感想の中に共通しているのは、「カウンセラーの印象」について多く語られる、ということがあります。カウンセラーはどんな人で、話を聴く人なのか、“説教”する人なのか、どんなことで気分を悪くしたり良くしたり、どんな癖があって、等々。

そんな話をお聞きする中で、「なるほど、クライエントも、しっかりカウンセラーをアセスメントしているんだな」と、つくづく思うことがあります。

 

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アセスメントとは、いろんな分野で用いられる言葉ですが、心理臨床の現場では、「心理学的な理解と援助方針」という言葉で理解されるものです。医学分野でいうと、「診断」とか、「見立て」という意味も含まれるのかなと思います。

カウンセリングは、クライエントならびに、クライエントの抱える問題に対するアセスメントを軸にカウンセリングを開始します。したがって、カウンセリングは初回面接から、いきなり問題について検討していくのではなく、通常は、3回~5回程度の受理面接という段階を経て、本格的なカウンセリングが始まっていきます(熟達したカウンセラーは、5回分くらいはすっ飛ばして、瞬時にクライエントの二言三言で、アセスメントできるそうです)。

受理面接の中で、カウンセラーは、問題の輪郭を明確にしていき、また、整理していきます。また、クライエント自身の心理面の理解を生きた会話の中でとらえていき、また、生活歴成育歴等を聞きながら、それを、裏付けていきます。その中で同時に、問題解決の為に用いることができるクライエントの強みを見つけていきます。場合によっては、心理職の専売特許である心理検査を用いて、認知的特性、性格特性、潜在化している心理的葛藤などを分析したりします。そして、そのような過程の中で最終的には、問題解決の為の援助仮説を生成していきます。この一連のプロセスがアセスメントと言われるようなものです。

 

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アセスメントは、カウンセリングの初期段階で立てられるのですが、面接が進んでいく中で、新たな理解が付け加えられたり、軌道修正されたりしながら、より確かなものへの洗練されていくものであり、最初から最後までアセスメントが同じである、ということは、考えにくいということが、心理臨床現場でのアセスメントの特徴なのかもしれません。

 

さて、冒頭で触れた、「クライエントもアセスメントしている」とはどういうことかというと、クライエントも、カウンセラーが発する言葉や、行動を見ながら、「この人は、自分の問題を解決してくれそうな確かな人なのか?」ということを、あらゆる角度から判断されている、ということです。

カウンセラーが持つ専門性やある種の説得力、印象、態度、容姿、風貌に至るあらゆる側面をしっかり観察しながら、アセスメントされております。よく考えると、それは、当たり前のことのようなことと思われますが、往々にしてカウンセラーは、自分は常に観察する側で、まさか、自分が観察されている側とはあまり考えないもので、この視点が欠けてしまうものなのです。

かといって、カウンセラーが、クライエントからのアセスメントを気にして、必要以上に、何かを取り繕ったり、クライエントに気に入られようと、ある種のウソを表現することは、かえってクライエント援助の妨げになる可能性もあります。しかし、カウンセラーは、日頃から、自分の言動や取り組み対しては、クライエント目線で、しっかりチェックしていく必要はあるのかなと思います。

 

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時に、「あなた(クライエント)は、僕(カウンセラー)に対して、どんな印象をもっていますか?」と聞くこともあるのですが(勿論、興味本位ではなく、臨床上必要な問いとして)、今のところ、「話をしっかり聞いてくれる人」「優しい人」等、割とポジティブなことが返ってくるので、ひとまずは安堵しているのですが、ふと、アセスメントのことを考えると「先生は、自分がどう思われているか、すごい気にする人だな」と、陰で思われているのかもしれませんし、「先生は、ここで、ポジティブなことを言えば、きっとがんばってくる」とアセスメントしているから、ポジティブなことを言ってくれているのかもしれません。また、そのような形で、時には、クライエントがカウンセラーをある種のアセスメントに基づいて動かしていることもあるかと思います。経験の浅いカウンセラーが時折、クライエントに振り回されてしまう現象などは、その最たるものでもあります。

しかし、振り回されることはよくないにしても、場合によっては、クライエントが自分を何らかの意図をもって動かしていると知りつつも、それを甘んじて受け入れていることもあります。決して、探り合いの駆け引きゲームをしているのではなく、こういう適度な緊張関係もまた、カウンセリングには必要なことでもあります

とにかく、ここで、言いたいことは、カウンセリングは、カウンセラーのみが何か主体となって、カウンセリングを動かしているのではなく、クライエントとの相互作用の中で、双方がお互いを理解しあい、時にはアセスメントしながら、動いていくものだ、ということであります。

 

とにかく、みんなに信頼されるカウンセラー、クライエントと、よき信頼関係を作っていく為にも、「自分もアセスメントされているんだ」ということを常に考え、これから頑張っていきたいと思います。

 

 

 

 

 

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